インタビュー

これまでにインタビューさせていただい方々

第13回 朝倉 匠子 さん
アメリカで学んだ大人文化
輝き続けるフィフティーズたち
ポジティブトレーニング
子離れ後の夫婦はどこへ?

アメリカで学んだ大人文化

久保
匠子ちゃんとはもともとモデル事務所が一緒でした。でも、匠子ちゃんはすぐにテレビの世界に入って、司会としても活躍して……。その後、20代後半から30代にかけては何をしていたの?
朝倉
実は知り合いの女性と一緒に会社を興して、海外リゾートのPRをしてたの。当時はバブルの真っ最中。日本人の目が海外の高級リゾートに向き始めた頃だったから、結構ニーズがあったのね。
久保
その後、勉強のために渡米を?
朝倉
生まれたから、かなり人生に変化がありましたね。
久保
充実した海外生活よねぇ。
朝倉
そうお? 隙だらけだったわよ。でも、子供が学校に入るまでの時期を向こうで過ごせたのは良かった。やっぱりアメリカはいい意味で大人中心の社会なのね。子供がいても行動の基本は夫婦。カップル社会だから、子供をシッターさんに預けて夫婦だけで出かけることもよくあるし、大人が大人として生活を楽しむ文化ができているのよ。それを経験できたのは良かったと思ってます。子供との距離間の取り方も勉強になったし、私はわりと自己主張をハッキリする方なので、アメリカの空気が合っていたんだと思う。
 


輝き続けるフィフティーズたち

久保
アメリカやヨーロッパは本当にカップル文化だけど、日本はまだまだ、そうなってはいないわね。
朝倉
日本のお母さんたちは女同士で高級なランチを食べたりはするけど、夜はまったく外に出ないでしょう。夫婦で出かけることも少ないしね。
久保
ベビーシッターさんは結構、いるのにどうしてなのかしら。
朝倉
文化的なものだと思う。ある外資系高級ブランドの社長さんが、百貨店の社員の人たちを「ご夫妻でどうぞ」とパーティーに招いたら、誰も奥様を連れてこなかったのですって。それが日本の夫婦の感覚なのね。
久保
日本を変えていきたいと思う?
朝倉
思う!「こうしたら日本の大人はもっと人生を楽しめる」と思うことを提案していきたいと、いつも思ってるわ。でも、確実に変わってきてるわよ。だって、京子ちゃんも私も、長くキャリアを重ねてくることができたのは、時代が変わってきたからじゃない? 昔なら50歳の人を化粧品のCMに起用することはなかったでしょう。でも、いまはむしろ“美しい50歳”ということが、大きな価値を持つ時代。熟年層の男性も、最近は意識がすごく変わってきたしね。
久保
確かに熟年層の男性のカッコよさを決める尺度が“イケてるかどうか“に、なりつつあります。いまの50代の男性は元気でバリバリ働けないとダメなのよね。そして自分のことは自分でできる、と。
朝倉
そうね。それに奥さんも「ダンナは嫌い」と、夫を避けてばかりではいられない。子供が独立した後の時間が、とても長いわけですから。現代人の50歳以降の人生は、艶やかで華やかな、過去の日本人とはまるで違ったものになると思うな。
 


ポジティブトレーニング

久保
私がこの間、50歳の誕生日パーティーを催したのも、同世代の人たちと「これからも輝いていこう!」とエールを送りあいたいからだったの。
朝倉
ホント、いまの50代は「これからよ!」って時期だものね。
久保
だけど、そうは言ってもありますよ。やっぱりグーッと落ち込んでしまって、誰にも会いたくないような“うつ”なときが。
朝倉
あるわね。そういうときは家でジーッとしているしかない。でも最近、それもトレーニングだと思うの。そこでエイッと頑張って外に出ると、人からいいパワーをもらえる。高い波動の人と会うと、自分もそのレベルまで引き上げてもらえでしょう。だから私はムリにでも外に出るようにしてるの。
久保
それも心の筋力ね。弱音の吐き方にもコツが必要だし。私の周りには「もう、大変よう!」って、ニコニコしながら愚痴る人が多いの。そういう言い方だと、こっちも「大丈夫よ」って励ましやすいのよ。
朝倉
そういうポジティブな人を周りに置いておくことも大事ね。つられて自分もポジティブになるから。
久保
それに本当の意味で前向きな人は優しい。そこはまだまだ学ばなきゃって思うわ。
朝倉
大事よねぇ。私も人生に成功したら優しくなりたいって思うもの。輝いていたいけど、優しくもありたいな。
久保
ねっ! そういう風に一日を過ごせたら「大変よく出来ました」と、自分の頭をなでたくなっちゃうかも知れない(笑)。
 
 


子離れ後の夫婦はどこへ?

久保
でも「分かっちゃいるけど」と思いつつ、いろんなことに折り合いがつかないのが40~50代だと思う。
朝倉
子供がいれば、40代後半ぐらいからそろそろ子離れの時期で、もう一度、自分と相対することになるしね。京子ちゃんのところはどうだったの、子離れは?
久保
中学生時代から「もう離れなさいよ」と息子には言っていたけど、本音は囲いたくて仕方なかった(笑)。でも16歳ぐらいのときに、「息子を1人の人間として自立させるなら私の方が離れなきゃならないんだ」と思って、無理やり離れたの。それ以来、「私は私でやることがあって、忙しいんだからね」みたいな顔をしてます。だけど本当はいまだに子離れ、できてないです。ツラいよ~。
朝倉
うちはまだ中学生だからこれからなの。でも子離れの時期にお母さんが輝いてないと息子も離れにくいだろうしね。
久保
そうなの! だから、そこは突っ張って頑張らないとダメなのよ。
朝倉
アメリカ人と結婚した友人の女性は、子供が生まれてからも1週間に1、2回は夫を二人だけで外食してるの。夫から「子供はいつか出ていくから、君と僕の生活を2人で育てていかないとダメだよ」と言われて、子供が小さい頃は後ろ髪を引かれながら出かけていたそうだけど、その彼女が最近、子離れの時期を迎えまして。いまは「ダンナの言うことがよく分かった。いまとなっては良かったと思う」と言ってます。
久保
夫婦のあり方はこれからの日本人の課題。
朝倉
日本はあまりにも急激に高齢化と少子化が進んだから、社会システムも人の気持ちも、ついていけていないのね。でも、子供が小さいときから「お父さんとお母さんには2人だけの生活がある」というところを見せていかないと、ヘンな大人が育っちゃう。子供と家庭、大人の男と女の問題は考えていかないといけないね。
久保
家族と家庭、親子、夫婦という小さな社会について、もう一度ひも解かないと!
朝倉
日本は男性も女性も「家庭はくつろぐところ」と思っているけど、外国では夫婦ってもっと真剣勝負なんですよ。だから、どういう家庭をつくるか、もっと話し合うべきだと思う。
久保
そうね。家庭は「小さな社会」だから、感情論で終わらてはいけないわね。
朝倉
長く結婚生活を続けていれば誰だって飽きる。でも、それをどう盛り上げていくか、その努力がこれからは必要なのよ。
久保
そう! 男の人にも期待しましょう。
 


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