インタビュー
これまでにインタビューさせていただい方々
- 久保
- 清美ちゃんとはもう25年ぐらいのお付き合い。一緒にファッションショーの仕事で地方を転々と廻ったよね。清美ちゃんがコーディネイトしたショーに私がモデルとして出てね。
- 淺羽
- 田舎にいくとバレーボールの選手に間違えられたりしてね。みんな大きいから(笑)。
- 久保
- ところで清美ちゃんは何がきっかけで空間プロデュースの仕事を始めたの?
- 淺羽
- 学生時代に夏休みのアルバイトでホテルの毛皮ショーを手伝ったの。そんなショーを何回かやっているうちに、演出家の先生から「うちで1年くらい働かない?」と誘われて、その会社に入ったんです。最初はこれを仕事にするつもりなんて全然なかったんだけど、楽しかったのね。そこでジュエリーショーとかブライダルのショーのコーディネイトをやらせてもらって、思った以上に勉強できたわ。
- 久保
- そう思えるのは清美ちゃんの人柄。で、結局そこには13年間もいたのよね(笑)。
- 淺羽
- そう。それで34歳のときに独立。やっぱり私はこの仕事が好きなの。自分が楽しめることを仕事にできて、それが生活の糧になるなんて、こんな幸せなことない。
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- 久保
- “好き”に尽きるよね。だって、空間プロデュースの仕事は何もないところに色をつけて、できあがったら崩す。明日には何もなくなっちゃうでしょう、ファッションショーでも展示会でも。幻のような仕事よね。
- 淺羽
- それは言えてる(笑)。
- 久保
- どこが一番、わくわくするの?
- 淺羽
- 不思議と完成してしまうと、自分の中では完結。だから最初の段階が一番楽しい。クライアントの要望とかポリシーを大事にしながら、限られた予算の中で足したり引いたり、そぎ落としたりしている過程が一番、面白いの。
- 久保
- そこが一番、大変だと思うけど。
- 淺羽
- 最初の段階は本当に寝ても覚めても考えてる。歩いているときも電車に乗っているときも、アイデアが浮かんだらすぐにメモ。それがあるとき一つになるの。バラバラだったものがポンッと! それはすごく面白い。
- 久保
- で、できあがると冷めちゃうのね。
- 淺羽
- そう。そこまでいくともう気持ちは次のことに向かってるかな。「次にまた頼まれたときには、どんな風にしよう」って。やっぱり「淺羽に頼むと毎回、新しいものが出てくる」と言われたいですから。
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- 久保
- いつも新しいアイデアを出すためには充電する時間も必要でしょう?
- 淺羽
- それが私の場合はニューヨーク旅行なの。あの街は自分が何にも縛られずに自由な発想でいられて、いろんなものを吸収できるところなのよ。みんなが目的意識を持って歩いている雑踏がすごく心地いい。
- 久保
- ヨーロッパはいつも仕事で行く場所だったから、逆にくつろげないのね。
- 淺羽
- そうそう。でも初めてニューヨークに行ったときは「帰りたい」と思った。空気がのんびりしているヨーロッパに慣れていたから、ニューヨークの速度についていけなくて。それに着いた日に発砲事件を見ちゃったし……。2日目には「もう帰ろう」と思ったんだけど、ニューヨークに詳しい友達が「そんな気持ちで帰ってしまったら二度とニューヨークに足を運ばなくなるからダメだ」って、私をあちこち連れまわしてくれたの。オフブロードウェイとか、「酒は自分で持ってこい!」と言われるようなリトルイタリーのレストランとか、通り一遍じゃないニューヨークを体験させてくれたのよ。すごく楽しかった。
- 久保
- それからは年に一回は行く街に?
- 淺羽
- そうね。だからその友人には今も感謝、感謝。多分、京子ちゃんも感じてると思うけど、私たちはつくづく人に恵まれてるよね。
- 久保
- それはもう! ホントにそれしかないです。人との関わりを無くしてしまったら、私には何が残るんだろうと思っちゃう。
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- 淺羽
- 私も物欲はないけど人欲はある。でも「誰でも」というわけではないのよ。必要なのは自分にとって楽しい人、同じアンテナや好奇心を持っている人。京子ちゃんもそうじゃない?
- 久保
- そうね。自分なりの触覚があって、チュチュチュと響きあう相手は自然に分かる。だから清美ちゃんともしばらくは縁がなくて離れていたけど、いまは「ようやく一緒に面白いことができるときがきた」って思う。
- 淺羽
- 私にとっても今の京子ちゃんは、ますます魅力的。何か投げかければ、必ず相談しただけのものを返してくれるから。こ??敬??れが真のコラボレーションだと思うのよ。
- 久保
- それで私、一生に一度のわがままで、私の50歳のお誕生日会のプロデュースを清美ちゃんにお願いしました
- 淺羽
- ハイ。会のコンセプトは、リラックスできつつ小粋な演出もあって……。要は京子ちゃんにも満足して欲しいけど、あなたに呼ばれたお客様が満足して帰ることが一番!
- 久保
- 私もそれが一番うれしいです! 堅苦しいことは抜きにしたいの。「来たよ、京子ちゃん」、「どうもありがとう」、「おめでとう!」、これだけで十分、気持ちは伝わるもの。
- 淺羽
- ホントね。でも締まりがないのも困るので、音楽とかちょっとした演出でキュッと引き締まってうまく進んでいくようにしますよ。って、結構プレッシャーだな、私(笑)。仕事では感じられない不思議な緊張だわ。
- 久保
- そんなにやる気、出してもらって私は幸せです。頼りにしてます、清美ちゃん!
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